子供を取り巻く適切な環境とは

余白をもって生活している

 子供の興味の対象がどんなことに強く向かっているのか、それを先ず知りましょう。先にも言いましたがゲームや漫画に取り囲まれた部屋で暮らしている子供の頭の中は、常にそれらのことが第一に来て、それ以外のことはすべて後回しになります。

 では勉強ができる子はどんなことに関心を持つのでしょうか。

 勉強ができる子の身の回りには、一次的な快楽を満たすためだけの娯楽グッズはほとんど見当たりません。部屋の中を見渡すと、文庫本なら小説や、生物や天体の図鑑が並んでいます。

 非常にきれいに整理整頓された環境に身を置いて生活している印象です。身軽に生活しています。常に余白を残して、余裕を持って考え、行動しているのです。

 もしその余白を埋め尽くすように、流行りのファッションや髪型のことばかりに目が向いていたらどうなるでしょう。テレビばかり見て、芸能人の話題ばかりに詳しい子は、総じて「イライラした」雰囲気をいつも身にまとっています。

 できる子は脳に余白をいつも作っていますから、話がすっと入ってくるのです。アドバイスや指摘を冷静に受け止めて、一度聞いたことは長く覚えていたりします。

 生活の中心が、学校生活や、塾の宿題や、家の手伝いなど、ごく基本的なことに集中できているのが特徴です。特別驚くような勉強法をとっているわけではないのです。

 では勉強ができる子はどんなことに興味を示すのかと言いますと、その子の親が興味を持つことに興味を持つ場合が非常に多いです。

親の影響力が非常に大きい

 日常生活に大きな影響を与えるのがテレビの存在です。親がワイドショーや娯楽番組ばかり見ていると、当然のように子供もそうしたことに詳しくなり、アイドルの追っかけになったり、月9などのドラマにはまったりします。

 逆にテレビをほとんど見ない親と言うのも存在し、そうした環境で暮らす子供は、ほぼ間違いなく本を読む習慣がついています。

 端的言いますと娯楽的なテレビ番組は勉強にとって害悪と言えます。もちろん教養番組は別です。

 小さなころから、本に親しんでいる子供は総じて考える力があり、想像力豊かです。大人と会話ができます。親が世界情勢について興味を持ち、日ごろから問題意識をもっていると、子供にもそれがうつって、興味を持つようになるのです。

小学5年生の子が、中東で起こっている紛争について、意見を持っていたりするのです。シリアとイラクの国境がなぜ不自然な直線になっているのか、それは100年前の第一次世界大戦の結果にあり、そのことと、今起こっている戦争の悲劇とが関係している、といったことを語り、問題意識をもっていたりするのです。

 自然科学に興味がある親のもとに育つ子供は、量子物理学に興味を持つでしょう。小惑星に探査機を飛ばして、小惑星の粒子を持ちかえることができる日本の優れた科学力を自慢するでしょう。

 ベースがそれですから、知的好奇心はあらゆる方面に伸び、そのことを基礎から教えてくれる学校の勉強にも意欲的に取り組めるのです。ほおっておいても彼らは勉強を続けることでしょう。