読解と読書の違い

よく国語力をつけるために「読書」をしなさいといいます。読解問題が苦手で、抜き出しや、要約問題などにまったく手がつかず、空白が目立つお子様の指導の際、よく保護者の方と話題に上がります。

しかし「読書」をしたら国語の点数は上がるのでしょうか。

答えはあまり期待できない、です。

なぜなら「読書」と「読解」はその根本において大きく違うからです。

今連続テレビ小説に関連して話題になっている、「赤毛のアン」。この名作を例えば「読書」したとします。お子様に感想を聞いて、「現実を忘れて、没頭できた。楽しかった。」と帰ってくれば、読書としては最高のものとなったでしょう。

しかし、ある場面の登場人物の心の変化を問いかけて、めんどうくさがってその場面をもう一度読み返そうとしなかったり、まったく見当違いの答えがかえってきたりした場合、それは「読解」としては成立していないのです。

「読解力」をつけるためには、その作法を意識的に行い、問いを正確に理解し、正しく答える訓練をしなければならないのです。

読書をして得られることはたくさんあります。語彙が豊富になったり、想像力がついたり、時には人生に大きな財産となる金言に出会ったり。ですから、読書と読解は分けて考え、塾や熟練した家庭教師に学び、「読解」に果敢にチャレンジしてもらいたいです。
成功しておられる方はみなさん,そういう後者の方面での力に余裕がおありの方だったと思います