忍耐強く

今年の入試でも沢山の生徒さんと出会いました、その中でも特に印象に残っている生徒さんについてです。

そのお子さんは、所謂不登校でした。5年で塾をやめて、それからは特段対策をしていなかったのですが、去年12月に依頼頂きました。

児童心理も学んでいたので心のケアも、でしたがご家庭に伺うと真面目な良いお子さんで、すぐにうちとけました。あえて学校については触れず、本人が話すのを待とうと考えました。

授業内容をきっちりすぎるくらいノートに書き、思わず「凄いなぁ、教科書みたいやなぁ」と言うと嬉しそうな顔をしていました。

入試の間際には笑顔も増え、結果的に一つ上の進学コースで合格することができました。

特別扱いをしなかったことが、そのお子さんにとっては良かったのかなと考えています。

心配するだけが、生徒のためになるとは限らないと考えた案件でした。

家庭教師で指導した中には、たまに双子さんもいます。2人を指導するのはどんなものか、最初は非常に緊張してしまいました。

初回、対面した2人は全く同じ容姿だったので「おぉぉ!?」でしたが、指導していくうちに全然違う個人個人なのだと認識。もちろん得意分野も違うし、何より全然違う顔なんです。最初は服を取り替えたりして「どちらでしょう?」なんて私に聞いていた2人でしたが、簡単に特定できるようになりました。それからは心を開いてくれて、勉強への取り組みも一生懸命に。

一個人を認めることの大切さを学んだ経験でした。

同じ年に同じ志望校を目指されるお子さんからご依頼を頂くことがあります。今回はコース違いのお話を。
2人は某有名大手塾でした、クラスは全然違いましたが志望校は同じでした。コース違いで志望していたのです。同じ学校とはいえ、全然違う内容を指導し、2人とも合格しました。しかしここはゴールではありませんでした。

その後大学生になった2人は、なんと文系コースに行ったお子さんが歯学部に、理系コースに行ったお子さんは薬学部にと、想像しない進学を遂げました。

中学入学の時のコースが全てではないと思った瞬間でした。

母校を目指すお子さんを指導することが沢山あります。今回は遠方からの受験についてです。

そのお嬢さんは、とある私学展で私の母校の先生と話し、とてもいい印象だったので入学したいと問い合わせを頂きました。

やはり母校出身者は学生生活の話をしてくれるからということでした。

入試ギリギリということもあり、参考書を80ページ読む宿題や、1日に5時間以上の家庭教師にも耐え抜き、見事合格しました。

相当遠方でしたので下宿になりましたが、合格発表の時は涙を流して喜んでいて、本当に良かったなぁと思いました。

6年たって「あの時先生に出会い、あの学校に入れて良かった、先生、入れてくれてありがとう」という手紙を頂き感動しました。

最近連絡がきて、懐かしく思ったので書いてみましたが、受験はご縁ですね。良い伴走者がいることで、可能性も随分変わるように感じます。

そのお子さんに出会ったのはかれこれ7年前。大手塾に行きながら家庭教師をつけられました。算数が苦手なお嬢さんで、模試では偏差値がなかなか出ずでした。

ただ彼女は諦める事なくきちんと家庭教師の授業を受けており「とにかく先生のマネからやってみよう」と誘うと素直に一生懸命写したり工夫して書いたりしていました。

塾の先生達に受験前に寄せ書きを貰ってきていた中、私にも「書いて」との事だったので「やれば必ず…きっとできる!」と書きました。

見事合格して、中学受験は普通コースであったにも関わらず、卒業時には歯学部が決定。

諦めない気持ちが良い方向に進んだのを2度間のあたりにしました。

なんとも、お子さんはミラクルを起こすようです。